先日,7歳のメークーンの猫さんが お口が赤いと来院されました。

昨年、歯石があるとのことで、他院にて歯石除去をうけられました。

 

その後,だんだん口が赤くなり、口内炎と診断されたのですが、心筋炎の可能性があるので

抜歯は難しいだろうということで、ステロイドを投与しはじめたそうです。

 

そのご、どんどん口は赤くなっていき、血も出るようになってきたそうです

今年にはいり,ご相談をうけ、診察すると

歯石はなく,綺麗な口に見えたのですが、たしかに歯肉が何箇所かまっかでした。

 

歯肉が何箇所か赤いと、口内炎と読んでもかまわないのですが。

 

さて,先日 麻酔をかけて歯やクチの精査をしました。

猫の歯は人と似ていて、30本あります。

この猫さんは きょうだい猫さんと暮らしていて、奥歯が一本

生えてなかったそうで、29本でした。

 

一番おくの 見えづらい場所なのに良く観察され、すごいです!!

ここまで 観察されていた猫の飼い主さんは 記憶にないです!

 

 

歯周病の検査は こんなことを やるのが 人も犬猫も共通です

 

・視診 見てみる

・フロープで歯周ポケットの測定

・歯科レントゲンで、歯の周りの 歯の状態や骨の状態を調べる

・エキスプローラー(探査針)で歯の欠損部分を探る

 

などが基本作業となります

 

この猫さんの場合(代表的なのを写真掲載)

・たとえば左上の一番奥から2番めの大きな歯が歯周炎で歯の根の象牙質が3ミリ露出して、歯周ポケット3ミリあり

ました。その隣も歯周ポケットがあり、出血が多かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・左下の犬歯からうしろは、右下と比べて一番奥は歯根が溶けたり(歯周炎でも、溶けることがあるので原因は不明)犬歯の後ろの歯は

吸収病巣をおこして、骨と癒着していました

将来、上の歯だけ ぼろっととれるでしょう。今は歯が半分消えている(吸収)されている状況です

一番右なので、ブログに貼ると 画像が切れ残念ですが

どうやったら 映るか ちょっと不明ですみません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反対の同じ場所は こんな感じ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを知った上で 抜歯するにしても  歯科レントゲンで確認しないと

グラグラしないので、抜歯しませんでした。

とか 飼い主さんにお話することになるのかも しれません。(飼い主さんから聞いた話ですが)

 

獣医師は、まずは,歯科をやるなら 歯科レントゲンは持つことです。

 

ある、外科の獣医さんと 歯の話をした時

「抜歯する歯位、高性能のレントゲンでわかります」とか「CTあれば抜歯する歯はわかります」

とかおっしゃったのですが、CTは歯科専用ならよいのですが、

日本の獣医大学や大きな動物病院にあるCTは

人用で、歯科用は存在してないそうなので 頭部やクチの骨の腫瘍は診断可能だけど

歯周炎の診断はかなり重症でないとわかりません。

 

私がアメリカ獣医歯科の専門医さんに

習った23年前位の時点でさえ犬猫も抜歯だけでなく、歯周病の再生治療もある時代です。

 

犬猫でも歯科の基本知識や道具は最低限要で、歯科をやるなら それなりのグッズ 最低限

歯科レントゲンは買ってみて 練習してみて、使うべきです。

 

もちろん、歯周炎の治療をしても

口内炎は 免疫の病気のひとつとして、存在するのかも

しれません。

 

 

でも、これだけは言えます

獣医大学では まだ 歯科の基本授業はいまも  あっても 2つか3つ位の獣医大学だけ1単位だそう

 

もちろん 技術は 私もふくめて 様々です

 

 

い主さんはそのことを,知って 

・ホームページやブログで 歯科の基本道具をチエックして

みること

 

・歯石をめやすに 歯の治療や予防歯科をスタートしないで

子犬 子猫の時から 歯科検診をうけ

歯周病予防には1歳すぎたら  いつでも

せめて2歳半位までには PMTCをやっていくのが

私の 長年の経験から 歯周病の予防の鉄則かな

と感じています。

 

もう,25年はやって 2代目 犬猫達も

歯科ケアをやってきたので、 それが

適正な方法だと感じてやっています。

 

麻酔かけられてなくなった時は

私達が、動物達の歯とかを治療してあげられなくなった時です

 

どうぞ 一日でも早く犬猫の歯やクチのこと

こわがらないで、考えてみてください。

 

高齢犬猫の麻酔を したくないのは

実は 獣医科だと思うのです。

 

でも、歯や耳が悪いと気がついた飼い主さんは

「早く 治療してあげてください」

とおっしゃるのです

 

私の犬の最高齢は20歳

 

猫は23歳です。その猫さんは

15歳で食欲なくて転院されてきて、 飼い主さんが

やる!と決断されたのは なんと20歳だったんです

 

トホホと思いましたが,クチからはみ出そうな位の

歯石がいっぱいの猫でしたが歯石除去だけで

すんで 歯をぬくような ひどい歯は

ありませんでした。

 

耳も 真っ黒でしたが、鼓膜も無事で

細菌の治療をしただけで すっかり きれいな耳になってしまったのです

 

飼い主さんは 麻酔がこわくて 5年間も 迷って折られたのですが

これは ラッキーな部類だとは思うのですが

 

気持ちは わかるので、考えてみてくださいね。