1. 犬に下痢が見られる場合

    動物病院では

    最初 お腹の寄生虫を調べる為に検便を勧められはことが

    ほとんどでしょう

    そこで、検便でみつかるのは

    線虫類の卵や、原虫のコクシジウム等なので、それらが見つからない時は

    ①整腸剤

    などが処方されることがほとんどでしょう

    数日投与しても下痢が収まらない時は

    ②お腹の菌のバランスを崩し悪い菌が増えている場合もあるのて抗菌剤

    を投与する場合もあるでしょう

    人が良く言われる

    お腹にクルマ風邪もあるようで

    便を調べると、ウィルスが出てくることもあります。、

    元気食欲が落ちてきた場合

    膵炎等内臓の不調で下痢することもあるので、血液検査で内臓を調べたり、オプションで膵炎マーカーを検査に依頼したりすることもあるかも知れません。

    ウィルス性腸炎の場合、ウィルスに効く薬は無いので

    ①の整腸剤等を使いつつ

    吐くなら制吐剤、脱水が心配される場合は点滴など対処療法となります

    元気なんだけど

    下痢を時々繰り返し、色々調べても、判らないいう場合に、うっかり盲点になってそうなのが、寄生虫です

    A 便に寄生虫の卵を産まない寄生虫がいることを

    忘れないことです

    お腹の寄生虫の感染方法ですが

    回虫とかの線虫類は最初は母犬の胎内で血液感染します。

    産まれてからは、便を食べたり!踏むことでも皮膚から来る寄生虫もあります

    鞭虫類は、ノミや蛇等の中間宿主の虫や爬虫類を犬猫が食べることで感染します

    原虫類は、感染した水や便を口にすることで感染します。

    お腹の寄生虫は、感染していても必ず下痢になるとはかぎらないのでご注意です!

    お腹の寄生虫には大きく分けて

    3つあります

    長い紐状のお腹の虫が2種類

    と分裂して増えて、顕微鏡とかでしか見えない原虫の1種類です

    紐状の虫には

    ①回虫等の線虫類

    ②ノミから伝染る瓜実条虫等の鞭虫類

    ③原虫

    です

    線虫類は、飼い主さんにお馴染みの紐状の虫で、オス・メスがあります。寄生虫の卵が便に出るので、検便で判ることが多いので、「動物病院の検便で寄生虫は大丈夫でした!」はこのことを指します。

    条虫類は卵を産まず検便しても出ないので、繰り返す犬猫の下痢では見落としがちです。

    当院では定期的に駆虫剤を投与することで駆虫することにしています。

    外を散歩したり

    トリミング等の公共の場に行くことも多いので、アメリカやヨーロッパでは

    定期駆虫方法と呼ばれ、仔犬子猫の頃は母親の体内で感染していることもあるので

    生後3ヶ月までは

    2週間おき、半年までは毎月駆虫します。

    その後は、外を散歩していて他の犬猫からもらうことも想定し、3ヶ月に一回、線虫と鞭虫に効く総合駆虫薬を定期的にあげることで、お腹の虫を予防していきます。

    原虫は、定期的な駆虫で予防できないので、下痢をしたり

    又は年に一回検便をして

    顕微鏡で調べます

    原虫の1種である

    ジアルジアは仔犬の43%が感染していると言われ、顕微鏡でも見つけるのが難しい虫ですが、当院ではジアルジアの抗体検査もして、徹底的に犬猫の寄生虫を減らし予防するようにしています。

    ジアルジアは今まで、検査したことが無いワンちゃんも、まだまだ多いと感じますので、

    当日か前日の人の小指の先位の出来るだけ新しい便を、乾かないようラップ等に入れて、涼しい場所で保存し、病院に持ってきて下さい。

    便で抗体検査がてきます。

    ただ、

    定期駆虫という考え方や治療薬やジアルジアの抗体検査は

    総ての獣医師が

    知っていて、されているわけでは無いので、問い合わせてみられると良いでしょう。

    それでも、色々調べても下痢を繰り返す場合

    次に考えるのが、食物アレルギーです

    アメリカ等では、犬猫のアレルギーの検査はアレルギーの数値であるIgEの検査だけです。

    獣医アトピー・アレルギー・免疫学会は日本だけの学会で、日本でも会員数が2024年度現在でも全国1万人ほどいる、小動物開業獣医師1万人のうち、約200名とまだまだ少ない状況です。

    獣医アトピー・アレルギー・免疫学会では、IgEとリンパ球検査の数値の読み方も色々学ぶのですが、日本でも入っておられない方がほとんどなのと、リンパ球検査が3万過ぎる費用なのもあり、IgEの数値だけで食物アレルギーの食事を診断されることがほとんどなのと、ロイヤルカナンの食物アレルギーのフードをシンプルにお勧めすることが、日本でも世界的にも一般的だと感じています。

    動物アレルギー検査で検査をされない場合は、私なら

    動物アレルギー検査センターの3つある単一タンパク質の除去食を1つずつ、1〜2ヶ月位試してみることを提案することもあります。

    フード以外の他の食品をためすには、動物アレルギー検査センターのIgEとリンパ球検査を元にアドバイスはさせていただけます。

    当院では、歯科や皮膚や耳の治療が得意分野なのですが、

    たまたま他院から来られた

    ワンちゃんが、かかりつけ医さんの処で、時々下痢や嘔吐をして通院することがあるワンちゃん等に、食事アレルギーのことをお伝えして検査し、処方食を提案し、実践されると、「お腹の調子が良くなってお腹のことで通院されることが無くなりました!」とおっしゃって下さる方は多いです。

    犬猫の膵炎も免疫の変化で引き起こされることも多く、

    2023年の獣医アトピー・アレルギー・免疫学会で、消化器型のリンパ腫と診断され抗がん剤を投与していた犬が、食物アレルギーの検査を元に、除去食フードをあげるようになった症例も発表されていました。

 

 

  1. これを知って食物アレルギーの時に腸に出てくるリンパ球という細胞と、まだまだ区分けは

    難しいのだな、食物アレルギーの世界は面白いなと思いました。

    日本は、特に犬は免疫検査や治療関係ではトップで、食物アレルギーの論文も多いのだそうです。

    海外の方は、色々ハードルがありますが、日本の知人の方に相談されて、日本の除去食を入手してみて、海外に送付出来るかは私は知らないのですが、自分のお国で色々されても、治らない場合、こんなことが日本ではされていることを、少し知っていただけると良いかな?と思っております。

    先ずは日本に、この獣医アトピー・アレルギー・免疫学会の学びを広めて、世界にこの考え方や検査やフードが拡がると良いなと思っているところです!

    犬猫もお腹を温めるとか、寒い季節には温かい食物をあげるなどは基本大切です。

    どうぞお大事にされて下さい